税所(さいしょ)の日記

IQ122(全検査数値)の高機能自閉症”グレーゾーン”の頭の中身。

学校では教えてくれない大事な知識

学校では教えてくれないけれど、生きていくうえで大事な知識として、よく知られているのは、お金・投資とセックスがあります。

このうちお金・投資の方は、最近は投資教育も始まっているので、少しずつ学校教育という公の場で身に着けることができるようになっています。

一方、セックスについては、性教育を学校で教えている、との指摘があると思いますが、学校で教えてくれる性教育は、基本的には「男女がどのように子供を作るか」という妊娠至上主義の知識です。

このため、避妊方法も、基本的には「いかにして望まない妊娠を避けるか」という観点からの知識であり、それは「いかに望ましい妊娠を実現するか」という妊娠至上主義の裏返しな知識なだけな気がします。

いずれにしても、妊娠を中心とした性教育では、セックスに至るプロセスやテクニック、楽しみ方みたいな知識は当然教えてくれません。

このため、人はどのようなものに欲情するのか(LGBTのようなジェンダー性志向を含む)から始まり、セックスをエンジョイするためや、自分や相手により良い快感をもたらすことための知識・テクニックは、誰もが実地で切り開いて獲得していくしかありません。

妊娠から離れて性行為を楽しむのはほぼ人間だけらしいので、セックスをしなくても良い選択肢をとるためにも、誰もが知っておくべき重要な知識だと思うのですが、今は口コミやエロサイトなどの怪しい情報源から得ないといけないわけです。

さて、それ以外に学校では教えてくれない大事な知識があります。

それは、「夢がかなわなかった時にどうするか」という処世の知識だと思います。

学校は基本的には「夢は何か」、「将来何になりたいのか」というように、未来について前向きに考えることが求められ、また、それに向けて努力することを求められる場所です。

もちろん、前向きに努力することは素晴らしいことですし、それを否定するものではありません。

でも例えば、司法試験に受かるという夢を掲げて、良い高校、良い大学、良い法科大学院に進んで勉強するという努力をする人に、何度も司法試験に不合格になった場合の対処の知識が授けられる機会はいつでしょうか。

「何回司法試験に不合格になったらあきらめるべきか」、もしくは年齢的に「何歳までに司法試験に見切りをつけるべきか」などの知識は、法科大学への進路相談で予め教えてくれたりするのでしょうか。

基本的には、高校も大学もそして法科大学院も、司法試験に合格するために努力すべき知識を教えてくれる場所・過程であり、夢を否定するような知識は極力避ける傾向があります。

このため、どこかの時点で司法試験から見切りをつけるときに、人は、知識もない中、自分で判断して踏み出さないといけません。

司法試験であればまだましかもしれません。

見切りをつけないといけない人は、少数派であるからです。

でも例えばこれが、幼いころから友達と遊ぶ時間を犠牲にしてレッスンに通うバレリーナ希望の小学生や、プロ野球選手を目指して特待生で野球留学をしている中学生などであればどうでしょうか。

このような分野は、夢がかなう人よりもかなわない人の方が圧倒的に多いのに、バレリーナになれなかった時、プロ野球選手になれなかった時、何の知識もなく、その後の人生の軌道修正をしないといけないのです。

もしかしたら夢をかなえるための知識より、夢をあきらめて再び歩き出すのに必要な知識こそ、多くの人にとってはより意義があり、重要なのではないでしょうか。

さて、今は誰もが語り部になる時代です。

 

saishot.hatenadiary.com

 

夢がかなわなかった人、夢を追いかける知識は豊富に身に着けたけど、人生の軌道修正の知識はほとんどない中、修正せざるを得なかった人などの発信が多くなれば、「学校では教えてくれない」これらの大事な知識を身に着ける機会になるかもしれません。